MondoVino! - 初体験

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ワインクラスMondoVino!へ行った。ワインクラスなど初体験である。
ワインクラスはおろか、7年前に2口でトイレから出られなくなってからというもの、酒類を一切、口にしたことがなかった。6歳からの好物のチョコレートボンボンも断腸の思いで断ったほどである。


ワインクラスは参加者は講師の新美さんとおもいおもいに冗談を言い合っている。栓がプラスチックのワインは良いか?悪いか?という質問の答えは面白かった。女性ばかりである。皆可愛くてきれいだ。そして若い。初対面でも仲が良いので空気は柔らかく、和やかだ。スノッブのかけらもない。ほんわかとしている。

新美さん特選の本日のバゲット、チーズをほおばり、周りに座っている人たちと盛り上がりながらワインをすする。授業開始20分で、瞬く間に和気あいあいの雰囲気になった。パン、チーズのバスケットが6籠ずつ、美味いワインは新美さんが一人ずつ注いでくれる。酒にめっぽう弱いので薬指ですくって猫のようにワインをいただく。新美さんの言うとおりである。確かに酸っぱい味がする。

ロマンチックな香りと心地よい気取らない空気が、皆のようにグラスで飲んでみたいという衝動を増幅させているようだ。目を光らせて監督していたジェフがキッチンの方へ行った。

しめた、と思って、ジェフが横を向いた瞬間、彼のワイングラスに注がれている赤ワインを飲んでみた。喉から飲むというのはすこぶる気持ちの良いものである。しかもうまい。たまらなくうまいのである。二口目もどうぞ、と赤ワインが呼びかけているように思えた。調子に乗って、クラスで次に注がれたワインもごくりと飲んだ。香り、 味、今まで知らなかった味と組み合わせだった。2番目の赤ワインは止まらなかった。ジェフが横目でこちらを見ているのを尻目に、堂々とグラスで飲む。30cc、40ccは、飲んだと思う。詳しいことは覚えていない。心の思うまま飲まなくては、という義務感しか感じなかった。

それまでペットボトルのお茶でごまかしていたせいか、トイレに行きたくなった。急いで洋室の奥のトイレに駆け込み、ドアを閉めた途端、なにやら全ての備品が可笑しく思えた。なぜか笑いが 止まらなかった。ジェフが笑い声に気付き、急いで笑い声が聞こえないようにドアの側に行って咳払いをした。咳払いを繰り返しても笑い声の方が大きい。彼は、慌ててガスを点けてお湯をザァーザァーと流す。

ワインを横取りされたオーガナイザーの、隠れた必死の努力も空しく、私の笑い声は大きくなる一方であった。大盛り上がりのワインクラスも、次第にトイレの向こうの私の大爆笑に気付き始め騒然となった。授業が止まった。

笑い終わって気分がすこぶる良くなったので、満 足してトイレから出ることにした。まさか全員が自分の笑い声に聞き入っていたなど知らなかった。さて今はみんな何を飲んでいるだろうと気持ちよく扉を開くと、全員の瞳が私を見ている。

しまった、と思った。
笑い声が大きかったと気づいたのはそのときだった。

by Yu




 
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